「アルトデウスBC…この体験は、夢じゃない…!!!」
VRゲーム【東京クロノス】のMyDearest社が放つ、新作【ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス : BC)】!
VRブームを巻き起こすムーブメントのカギを握る本作。僕も超、超、超…楽しみにしていました!
【ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス : BC)】をプレイし終えたので、レビューします!
【アルトデウス : BC】感想&レビュー!エンディングの意味とは?
(注意!あらすじ以降はネタバレを含みます。プレイしてクリア後に読んでいただくことをおすすめします)
あらすじ(ネタバレなし)
物語の舞台は、【東京クロノス】から300年後。
西暦2080年に突然あらわれた巨大生物「メテオラ」によって、地下世界へと追いやられた人類。
半径2キロしかない地下都市から、人々は反撃の機会をうかがっていた。
団結し、製造された対メテオラ戦闘兵器「マキア」。
それに乗るパイロット・クロエ。
親友コーコの命を奪ったメテオラへの復讐心を燃やし、戦いにのぞむのだった。
【アルトデウスBC】感想&レビュー!《ネタバレ考察》
まず全体の感想として…
このようなストーリー体感ができることは、ゲーム以外のすべてのエンターテインメントを見まわしても類を見ないことです。
いままで、いろいろなVRゲームをやってみました。が、
【東京クロノス】や【アルトデウスBC】は「ゲームをした」という言葉ではとうてい表せない、特殊な体験です。
VRができる人は、ぜひこの素晴らしい体験をしてみてもらいたいな、と思っています。
それではいってみましょう!いきなりエンディングについての話!
それぞれのエンディングを見たうえで、トゥルーエンディングと思われるものは、2つありますね。
まず一つ目。「コーコを撃たない選択」をしたエンディング。
(ここで「撃つ選択」を先にする割合は少ないんじゃないでしょうか…)
ここで「なぜクロエは女性だったのか」腑に落ちたのですが、それについては後ほどキャラ雑感でお話しします。
エンディングのテロップが終わると…幼い背格好(まだ身長差がない!)からして、おそらくはじめて出会った時の二人。手を取って飛び立つ。
「コーコと二人、めでたしめでたし」
というだけの気持ちでは終われないですよね…。自分たちは良くても…
「それじゃ、あの仲間たちはどうなるの?」という心残りがあるまま。トゥルーエンドを終えたつもりでいました。
そのまま二つ目のエンディングへ。まだ見てないバッドエンドを回収するつもりで探っていき…
「コーコを撃つ選択」をしたエンディング。
そこに広がったのはコーコとクロエによって、救われた景色。
仲間たちがいきいきと躍動する風景の中に、犠牲となって枯れたダリア。
そうか、コーコはこれを守るために…
美しすぎて涙がっ…
そうか、クロエは二人で再生する道を捨てて。
重力を感じながら「ここで生きてく」という決断をしたのか。
そうだよな…「大切な人を失う」。その喪失感を感じることなく生きていける人なんて、この世にはいないんだよな。
喪失感を抱えたまま。人のために自分を犠牲にして。何事もなかったかのように生きてく。それが美しい人間の姿なんだよな。
いかん、また涙が…
2つめのトゥルーエンドで、一気にクロエとシンクロして。ぽっかりと心に穴が開いたような喪失感を感じつつも、
仲間たちのいる風景を見ると「これで良かったんだ」と自分に言い聞かせるような。絶妙なエンディングが待っていました。美しいストーリー。
相変わらずオープニング画面に戻ってからの余韻もえぐい…。
2つともトゥルーエンディングだと思いますが、個人的には2つ目のエンディングが好きです。
エンディングを思い返しながら「もしかして…」とふくらむイメージもあったので、それについては後半お話しします。
【アルトデウスBC】のすごい点
すごさを感じたポイント、並べていきます!
【アルトデウスBC】のストーリーがすごい!
これはもう、【東京クロノス】や【渋谷隔絶】ファンとしてはプレイする前からわかっていたことなんですが。
「ストーリー」に重心がある作品は「待ってました!」ってなもんで。
内容も、容赦なくヘヴィーに。難しめな言葉もがんがん使われていますね。
「これ普段、本を読まない人はついてこれるのか?」と心配してしまうくらい。相変わらずトガッてるなと!
「巨大ロボに乗り込む」系の物語作品にはうといので、その視点からのレビューは他にお任せしますが…
(「エヴァンゲリオンからの影響」といった考察はどんどんされそうですね)
今回も重厚な物語世界。ストーリー好きにはたまらんです。
神話から哲学から、ARの地下社会…いろんなものをぶち込んで、美しい一本の線に紡ぐ。
シナリオを一体どうやって分担している小山恭平さんやカミツキレイニーさんら、どうやって共作されているのか、ヒジョーに興味あります!
小山恭平さん著、【渋谷隔絶】のレビューはコチラ↓
>>>【東京クロノス】のスピンオフ小説【渋谷隔絶】感想レビュー!《ネタバレ考察》
カミツキレイニーさん著、【魔女と猟犬】のレビューはコチラ↓
>>>ダークファンタジー小説【魔女と猟犬】感想レビュー!《カミツキレイニー著》
【アルトデウスBC】のオープニングがすごい!
まずここですね。オープニング!!
映画のようなスクリーンでテーマ曲がはじまったと思ったら、サビに入った瞬間、!!!!!!!!!
ここ、ライムスター宇多丸師匠の映画批評だったら
「5億点!!!!!!!!!!!!!」と言ってるとこですね。
これぞVRエンターテインメント。鳥肌が立ちました。
【アルトデウスBC】の音楽がすごい!
【東京クロノス】でもそうでしたが、ストーリーを引き立てる音楽がすごい。
マキアの戦闘での、戦意高揚させるような音楽。
コーコとの思い出を振り返る、切ない音楽。
そしてエンディング終わった後の、余韻に浸れる音楽。
ストーリーと抱き合った、素晴らしい音楽の仕事っぷり!
サウンドトラックも発売されてましたね!!!!!↓
【アルトデウスBC】のラスボスがすごい!
いままでのVRゲームでも「ラスボス」は何体か見てきたんですが…
ここまで「ラスボスキターーーーーーーーーー!!!!!!」って感じになったことはなかった。
小林幸子さんにも、紅白出場時の衣装の参考にしてもらいたいな、と思いました。
【アルトデウスBC】と【東京クロノス】のつながりって?
【アルトデウスBC】の舞台が、【東京クロノス】から300年後の世界、ということで。
「東京クロノスをプレイしてると楽しめる部分もある」というお話だったのですが、これは完全にそうでしたね。笑
【東京クロノス】とのつながり、アリアリでした。
未プレイの方はぜひ【東京クロノス】も。そして小説【渋谷隔絶】もぜひ。
そしてここからは「もしかして…」と思った話。
あなたは【クラウドアトラス】という映画を観たことがあるでしょうか。
映画【マトリックス】のウォシャウスキー兄弟(姉妹)も監督してる作品なのですが。
どんな内容の映画か、ざっくり言うと。
同じ魂が生まれ変わりながら、6つの時代をまたいで物語を紡いでく話なんですね。
ある時代では悪かったやつが、別の時代では良いやつになってたり。愚かだったり弱かったり。
その時代を生きて、何かを知ったり、人に支えられたりすることによって、その人が変化したりもする。
それで傷つけ合ったり、救ったりっていうのを時代をまたいで繰り返す。っていう壮大なストーリーの映画なんですね。
手塚治虫【火の鳥】みたいな。って言ったほうがイメージわく人多いかもしれない。
エンディングでのコーコとのやり取りをしていたら、「輪廻転生」というワードがばんばん出てくる。
「何度でも何度でも…わたしたちを捕らえ、輪廻転生の渦に巻き込んでいく」
そんなセリフを聞いて、思ったんです。
今後もしかしたら…
【東京クロノス】も【アルトデウスBC】も布石にして、最終的には時空を超えた壮大なスペクタクルドラマになっている…
というようなものを作ろうとしているんじゃないか、と。
【アルトデウスBC】公式HPのトップページにも【クロノスシリーズ】って文言があるし…
【アルトデウスBC】のコーコも、【東京クロノス】のあのコも、同時に存在する物語世界…
いつか、そういった物語が見れる可能性があるんじゃないか、と妄想しました。
もしそうならトゥルーエンドはコーコを撃たなかったほう、ということになるかもしれませんが。
あくまで妄想ということで楽しんでおこう…
ちなみに私事ですが、ピアニストとコラボして、エンディング曲を歌ってみたりしています↓
登場キャラクターについて、雑感
今回もLAMさんデザインの、魅力的なキャラたち!ひとりずつ雑感!
主要キャラ① クロエは、優秀な鏡
クロエ(声:鬼頭明里)
主人公にして、プレイヤーの視点となるキャラ。
メテオラと戦うためにジュリィ博士が作った“デザインドヒューマン”。
ゆえに、もともと感情の薄い。
クロエの良かった点は、その設定です。
人間味が薄い設定のため、プレイヤーが移入しやすい。
リブラの選択肢によって、自由に反応を選べるので「いや、自分だったらそんな行動取らないけどな…」みたいなことがない。
すんなり「クロエとなった自分」を受け入れて物語を進められる。
そして、プロメテオスやジュリィ博士から抑圧されている感じ。社会で抑圧されてる僕らは、共感しやすいんじゃないだろうか。
で。「なぜクロエは女性だったのか」という話なのですが。
あまりよく知らないで【アルトデウスBC】をプレイしはじめても、「あ、クロエって胸ある…」と気づきますよね。
考えてみたら。もしクロエが男性でも、ストーリー的には違和感ないわけで。
むしろ、そっちの方がマジョリティが共感するラブストーリーにしやすいですよね。
そんなことを思いつつ。最後の最後にはじめて「スカート(ワンピース?)をはいているクロエ」を目にするんですね。
ああ、そうか…こういった洋服を着るのが、元々のクロエだったんだ。と気づく。
野郎なら、「巨大ロボに乗って、大砲ぶっ放してナンボ」みたいなところってあるじゃないですか。笑
クロエが女性であることによって。別にマキアに乗りたくもない、戦いたくもない、「望まない使命だった」という点が、くっきりと浮かび上がる。
そこから解放されたんだ、ということがラストのスカート姿でわかる。
素晴らしい設定の妙。
確かに、これはクロエが女性じゃないと引き出せない落差。
ああ、そうか…だから女性だったのか。と腑に落ちました。
主要キャラ② コーコ・ココノエは、物語を包み込むブラックボックス
(声:奥野香耶)
コーコはストーリーを進める中で、仲間たちの輪にはいない。
そのため、広がった世界を外側からうまくまとめてくれた感じがします。
すべてを結びつないでいるアリアドネみたい、というか。
ゆえに、謎も多い人物。勝手にいろいろ妄想すると…
おそらくコーコとクロエは【東京クロノス】と重なる時代に生きていて、一旦その生をまっとうしてるわけですよね。
ジュリィによって身体を保存しておくなり、再生させるなりして【アルトデウスBC】の時代に転生したと。
ココノエ評議員の娘、ということですが、評議員は当然亡くなっている。残ってるのはAIのデータか何かだけで。
なのでジュリィの好きにできた、みたいなことなんじゃないかなーと。
ここらへんはブラックボックスなので、見た人が好きに想像していいんじゃないでしょうか。
もし間違ってたり、違う想像してる方は、コメントで気軽に教えてください!
主要キャラ③ ノアは、クロエの守護天使
(声:花守ゆみり)
ライブパートでは、「Vtuberのライブ演出ってこんな感じになるのかなぁー」とイメージできて楽しかったです。
都市システムを乗っ取っちゃったりもして。クロエのためなら何でもする。ある意味、クロエしだいでは危険な存在でもありますが…
ノアの記憶をピトスでたどってくシーンもたまらんですね。
業田良家先生のマンガ【機械仕掛けの愛】のように。人間以上に人間くさい心情を持った機械(ノアは機械ではないか)。その悲哀。
すべてはクロエを笑顔にするため。そのための奉仕。自己犠牲。泣けるっ。
そんなノアのような存在を、未来の僕らはひとり一体、持つことになるんでしょうね。
主要キャラ④ ヤマト・アマナギは、まいにち、修造!
(声:小林裕介)
仲間想いの熱き男。
ジュリィとは真逆をゆく存在。
「よくわっかんねェけど」突っ走るヤツ。
【東京クロノス】の、あの人を思い出すこと間違いなし!
スピンオフ作品、【エピソード ヤマト】もリリースされています↓
>>>VRゲーム【アルトデウス:BC エピソードヤマト】感想レビュー!《ネタバレあり》
主要キャラ⑤ アオバ・イワザは、けっこーなオトナ
(声:荒牧慶彦)
プロメテオスの管制官ということで。
腹は見せず、周囲を誘導してコントロールしてる感じ。
髪の色がライトブルーで、瞳の色がそんな感じなんだ?と思っていたら。そーいうことでしたか。
直情的にはならず、思慮深い。すげーオトナ。
「東京カレンダー」の表紙を飾ってもらいたい。
主要キャラ⑥ ジュリィは、納得のマッドサイエンティスト
(声:芹澤優)
あの造形、あの動き、何ですか!
サイバネティクスというやつですか!トランスヒューマニズムもあそこまでいくんですか!
そして人間性!
知的好奇心がすべての行動原理。人に嫌われようが、どうだっていい。天才ゆえに、合理性の奴隷。そういった言動が、見てて気持ちいい。
撃たれても…そりゃジュリィ博士なら想定内だよね!
セリフも印象的!
「うわーーデタラメだねぇ!」
「なァんにもわかんないぼこぼこ穴だらけの仮説に実証データがぎゃんぎゃんハマッてく感じ!」
「一度言ってみたかったんだ!こういう最っっっ高に頭の悪いセリフをさぁ!」
「バカ」って言葉も何回使ったんだか…。口悪いの最高。
かと思えば、やっぱ姉妹だな、っていう弱さも見せて。最高。
というわけで、ダントツでジュリィ推しです!!!!!
シナリオライター務めてる小山恭平さんが書いたスピンオフ小説【渋谷隔絶】レビューでも触れたんだけど…
「思考の飛躍」という言葉が出てくるところあたり…森博嗣小説に出てくる、天才・真賀田博士のDNAが受け継がれてる感じがして。グッときました。
後半のまくし立てるシーンでは、ニーチェやらカントやら哲学者まで引用して…ゲーデルって人は知らなかったので、調べてしまいました。
一度、ジュリィ博士の研究内容一覧を見てみたいな、と思いました。
ジュリィ博士の研究がなければこの壮大なストーリーも無かったわけなので、この物語を作ってくれて、ありがとう!笑
そして、ジュリィ博士の過去をたどるスピンオフ小説【ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite】。
こちら、【アルトデウスBC】の世界をもっと体験したい方は必読の小説です!
>>>【アルトデウス:BC】のスピンオフ小説、感想レビュー!《ネタバレあり》【ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite】
主要キャラ⑦ アニマは、抑止装置使わないであげて!
(声:石川由依)
コーコを吸収したメテオラなわけですね。
なんか、狼に育てられた少女の話を思い出した。
ガルルルルルってなってても、悪気はないんだ。
抑止装置使わないであげて!
主要キャラ⑧ デイターは、カルト宗教親父
(声:速水奨)
プロメテオス司令官。なんか見るからにワルそうな風貌なんだけど。
どんどん宗教寄りなセリフになってゆくのが、キモカワイかった。
いろいろ裏で実験しているうちに、力を得たように錯覚したのだろうか。
ジュリィに教わりつつも、ジュリィに勝てると思ってしまったんだね。
ところで、デイター司令官のロストチャイルド実験ってどうなったのか。気になる…
【アルトデウスBC】って難しい?
【東京クロノス】より難易度は上がっています。
【アルトデウスBC】では分岐が複雑になったぶん、すんなりクリアとはいかない人もいることと思います。
プロデューサーさんのお話によると、これは意図してそういう設定になっている、ということで。納得です。
僕は同じエンディングを繰り返しつつも、なんとかトゥルーエンドを迎えられました。
これからプレイする方も、ラストまでたどり着けますように!
【アルトデウス: BC】攻略についてもこちらにまとめています!↓
>>>VRゲーム【アルトデウス:BC】分岐点を完全攻略《Altdeus:Beyond Chronos攻略法》
【アルトデウス : BC】をプレイし終えたら
というわけで【アルトデウス : BC】のストーリーに焦点を当てたレビュー。
長文を読んでいただき、ありがとうございました!
そりゃ長くなっちゃいますよね…
エンターテイメントの新ジャンルといっていいようなVRコンテンツだもの…
いままでのような、“消費されてくゲーム”じゃなく。
まるでシェークスピアの戯曲のように。ショパンの名曲のように。
VRのクラシック作品となって。これからもずっとプレイされつづけてゆくのではないでしょうか。
そしてこの物語を体験し終えたら。
プレイした僕らは、現実にも影響を及ぼす何かを得て。今ここに帰ってくる。
現実世界では、トゥルーエンドはひとつしか見れない。
だからひとつひとつの選択を、大切にしよう。
「この光景は、夢じゃない—」
そして、【アルトデウスBC】のストーリーにはまだ続きがあるのです!
それがスピンオフ小説【ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite】!
天才科学者・ジュリィ博士の過去をたどる4つエピソード。
この小説に【アルトデウスBC】の世界は広がっています!レビューもこちらに書いています↓
>>>【アルトデウス:BC】のスピンオフ小説、感想レビュー!《ネタバレあり》【ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite】
【アルトデウス: BC】攻略についてもこちらにまとめています!
>>>VRゲーム【アルトデウス:BC】分岐点を完全攻略《Altdeus:Beyond Chronos攻略法》
クロノスシリーズの前作【東京クロノス】も熱くレビューしてます!↓
>>>VRゲーム【東京クロノス】感想レビュー!未知のストーリー体験だ!《ネタバレ考察》
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