【アルトデウス:BC】の世界は、さらに奥深く…過去へと広がっていた!!
天才科学者・ジュリィ博士の記憶と共に、時代の流れを追うスピンオフ小説【ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite】。
【アルトデウス:BC】ファン必読の一冊!レビューします!
【アルトデウス:BC】のスピンオフ小説、感想レビュー!【ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite】
ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite 高島雄哉、カミツキレイニー、小山恭平、柏倉晴樹 著
(アルトデウス:ビヨンドクロノス デコーディング ジ エルダイト)
2080年、地球に超巨大生物が襲来—
天才科学者、ジュリィが観測した人類の記録
世界が注目するVRゲームの公式スピンオフノベライズ!
- Mounting the World—世界実装 高島雄哉
- JULIE in the Dark カミツキレイニー
- Blue Bird Lost 小山恭平
- Decoding the Erudite 柏倉晴樹
- 巻末付録『ALTDEUS』スタッフ座談会
小説あらすじ
全身を義体化し200年以上の時を生きるマッドサイエンティスト・ジュリィが観測した人間たちの物語—
はじめてメテオラが襲来した日の記録。地下都市における軋轢。人型都市防衛兵器の発明。そして彼女自身の過去を明かす全4篇!
感想レビュー《ネタバレあり》
4名によって描かれる、4つのエピソードです。
「Decoding the Erudite」を直訳してみると、「博学の解読」ということで。
時を超えて生き続ける、ジュリィ博士の経験を読み解いていく物語。
読んでみて感じました。「アリアドネにはまだまだ続きがあったんだ」と。
それぞれのエピソードをレビューします!
Mounting the World—世界実装 高島雄哉
1つ目のエピソード。舞台は2080年の夏。
VR・AR技術を使ったオリンピックが開催されていた。それを“昔ながらの”スマホで観戦している野球少女がひとり。
2020年代からすると、「なんかちょっと進歩した世の中だなー」って未来が描かれる。
その描写が、細かく丁寧になされていて。確かにそこにある人々の生活。それに手が触れられたようなところで…
どーーーーーーーーん!!!!!!とメテオラ襲来!!!!!!
【アルトデウス:BC】プレイヤーとしては、「こんな感じで来たんか!!!」と大盛り上がり。
そこから破壊とパニックへとガラッと世界が一辺します。
そんな状況で逃げる野球少女。出会った将棋少女を助ける。
どこかクロエとコーコが重なるこの二人。手を取り合って逃げる。胸アツ。
そして、天才科学者ジュリィ博士の地下研究施設へと避難するのであった。
相変わらずジュリィ博士の発言は激しく、楽しい。
【アルトデウス:BC】の前日譚ということで、「メテオラ襲来」という事件からの始まり。
ワクワクが加速しつつ、次のエピソードへ!
JULIE in the Dark カミツキレイニー
2つ目のエピソード。舞台は2150年代。
人類が暮らすようになった地下世界。
地下で生きのびた人々は、上層と下層で格差社会ができあがっていた。
下層の人々の暮らしを変えようとするレジスタンス組織もあり。
そのメンバーが、上層の浄水場を襲撃するも失敗。
逃げ延びた先は、地下なのに陽の光があって植物がある。謎の空間。
噂によると「魔女が暮らしてる」とも言われている、と。そして登場したジュリィ博士。
魔女だって!?
カミツキレイニーさんのファンタジー作品【猟犬と魔女】を読んでいると、ここ胸熱!
【魔女と猟犬】もこちらでレビューしています↓
>>>ダークファンタジー小説【魔女と猟犬】感想レビュー!《カミツキレイニー著》
【猟犬と魔女】シリーズでは、これから魔女が次々と登場するところなのです。
もしかして。クロノスシリーズと何か繋がりが出てくる可能性もあるのか!?
時空を超えるジュリィ博士なら、あり得なくもない…。
と、妄想しつつ、ジュリィ博士がなぜこんなへんぴな場所にいるのかがわかってきます。
天才科学者も、辛酸をなめている時期があったようで。
「宙に浮いたホログラム人物像に殴りかかる」みたいな不合理な行動からも「ジュリィ、だいぶ乱されてるな」って感じで。
そうして、憎まれ口と共に描かれる、ハードワーク・ジュリィ!ジュリィのヤバさが本領発揮するエピソードでした。
ARがあんな風に使われるとは…やっぱりジュリィ博士は素敵なキャラですね。最推し。
Blue Bird Lost 小山恭平
3つ目のエピソード。舞台は2220年。
上流階級で名家の娘・ミチル評議と、サポートアークのチルチルのお話。
サポートアーク、となるとノアちゃんのイメージが重なるとこですね。
ミチルはバレエが好きで、チルチルに踊りを教えようとする。
が、そこはサポートアークなので機械的にしか踊れない。
そこへ登場するキャラ、サリナ。これがものすごく魅力的なキャラで。
サリナとの交流によって、チルチルは人間を学習していくわけです。
なんか、AIが苦手とされる“芸術性”を獲得してくまでの試行錯誤を見ているような…。
表現する人間にも同じことが当てはまるわけで。ビシビシ響く名言だらけでした。
これは表現やモノづくりなどをする、アーティストやクリエーターの読むべきエピソード。
古書の【風姿花伝】か、マンガ【昴】か、映画【ブラックスワン】か…
そういった作品がよぎったのですが、ここから【約束のネバーランド】も【パシフィック・リム】もびっくりな展開に。
そしてついに、人類反撃ののろし、マキア登場!ジュリィ博士の自信作!
そんな中、聞きおぼえのある苗字も出始めて。
【アルトデウス:BC】の登場キャラたちにつながる背中が見えてくる。
そこに至るまでに、バトンを託していしずえとなった人々の物語があったのでした。
Decoding the Erudite 柏倉晴樹
4つ目のエピソード。天才の孤独。と、そこに踏み込んだ姉(!)の話。
こんなん、姉も好きになるしかないじゃないかっ!
この小説は、【アルトデウス:BC】から伸びたアリアドネだけじゃなかった。
【東京クロノス】から伸びてきたアリアドネでもあったのだ。
姉は、作中でこんなことも言ってました。
「VRによって、誰かの視点や想いを、別の誰かが感じられるようになれば、ひとはもっと優しくなれるかもしれない。
それはまぁ、良いことばかりじゃない…とても痛いことだとも思う。心の痛みまで伝わってくるし、きっと…悪意だって。
でも、わかりあえる、という希望があるんじゃないかな」
これってまさに【東京クロノス】や【アルトデウス:BC】がやっていることですよね…。
プレイヤーになると皆、「このゲームはやるべき」ってSNSで言いたくなるのは、こういうとこなんですよね。
この小説も含めて、クロノスシリーズはできる人全員に体験してもらいたい。つくづくそう思います。
巻末付録『ALTDEUS』スタッフ座談会
『ALTDEUS』スタッフ座談会も面白かったです!
ジュリィという人物について語られていたり。
VRゲームを作る上で考えていたことが語られていたり。
「アリアドネ」が組み込まれていった話まで。
そういう感じで作り進めてったんだ!ってのが垣間見えました。
【アルトデウス:BC】のスピンオフ小説 感想まとめ
以下、読むべき胸アツポイントまとめ。
- メテオラ襲来!
- 双対の存在がみつかる!
- ジュリィ登場!
- 白衣の魔女!
- サポートアーク登場!
- マキア登場!
- 姉登場!
というわけで、【東京クロノス】と【アルトデウス:BC】のプレイヤーにはたまらない作品でした!
【渋谷隔絶】や【魔女と猟犬】の時も思ったんですが…ライトじゃなくウェイトノベルですねこれ。
【東京クロノス】と【アルトデウス:BC】をプレイした人はもれなく全員、ジュリィ…ジュリーの記憶をデコードしましょう!↓
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