「VRで人類が進化する!?」
東京大学でVR教育センターの所長を務める、VR研究の第一人者、廣瀬通孝教授の本!
【いずれ老いていく僕たちを100年活躍させるための先端VRガイド】をレビューします!
【いずれ老いていく僕たちを100年活躍させるための先端VRガイド】感想レビュー
【いずれ老いていく僕たちを100年活躍させるための先端VRガイド】 廣瀬通孝 著
人生100年、VRで人類は進化する!
VR研究の先駆者が導く、未来を変えるためのガイドブック。
この本でわかること
- バーチャル化とは何か、VRでどんなことができるのか
- VR研究の歴史
- 21世紀型の問題解決のしかた
- VRでのシュミレーション、未来予測とのつきあい方
- VRを高齢化問題にどう活かすか
- 人生100年時代の生き方について
【いずれ老いていく僕たちを100年活躍させるための先端VRガイド】感想レビュー
25年以上に渡って東京大学でVRを研究してきた、VR研究の第一人者のお言葉ということで。
言葉の硬さと重みが違いますね。といっても、難しい本ではありません。
とても読みやすく、僕らの実生活にVRが入り込んでくるイメージができる本でした。
中でも、「VRで高齢者問題に取り組もう」という部分が最大の焦点にされていました。
「昔の高齢者と今の高齢者は全く違うから、今の高齢者で未来の高齢化問題を考えるべきではない」という話から、
「高齢者が働くのに、VRが役に立つ」ということが序文で触れられます。
そのはじめだけ読むと、「え、高齢になっても僕らVR使って死ぬまで働かにゃならんの…?」と思ってしまうのですが…そこは後半でくわしく語られるので、一旦保留。
「VRをどう社会に役立てるか」ということを長年考えてこられた教授だからこそ、っていう内容の本となっておりました。
新書でサクッと読めるので、読んでおいて損はない本です!
面白かったところ
「未来予測とVR」という章があります。
ここでは、「未来予測は“いま”を基準にして考えてはいけない」という大事な考えも述べられます。
そこに、スマホの「乗り換え案内」や、アップルウォッチなどをイメージする「健康管理」など、身近な未来予測の話。
そしてVRと未来予測の話。こういう言葉が語られていました。
「未来予測とVRはシュミレーションを介してつながってきます。
そして、予測結果を行動に取り込む無限のループを回していけば、僕たちはもっと賢く生きることができるはずです。」
確かに、VRで映像として自分の身体がボロボロになってくのを見たら、「もうちょっと今のうちに運動しとこ…」とか、なりますよね。笑
印象に残った言葉
現実では不可能だったことを、バーチャルの世界に持ち込み、エッセンスを抽出することで解決する。
これこそ、VR技術が目指すところです。
目の前に存在している現実そのままでは絶対に解けない問題が、バーチャルな世界に持ち込むことで解け、しかもそれはウソであってはいけないし、現実そのものであってもいけないという微妙なさじ加減が必要だということです。
読んで考えたこと
後半で「人生二毛作」ということで、VRによる高齢者就労支援が具体的に示されます。
そのやり方が、「モザイク就労」という働き方。3つの要素があります。
時間モザイク
労働時間を何人かに分解して働く。
空間モザイク
身体が不自由になってきたり、体力的に厳しくても、仮想の身体で働ける。現場に行かなくても大丈夫。
スキルモザイク
それぞれ持っているスキルを組み合わせる。
例えば、外国語が話せて、科学の知識があって、楽器の演奏ができる人が必要だとします。
その時、すべての能力を持っている人を探すのは難しいけど、それぞれ能力を持っている人をみつけてクリアすればいい、っていう考え方。
こういった感じで、バーチャル化すれば分解して、モザイクを組み上げるように解決していけばいい。
そういった働き方なら高齢者も活躍できる、というお話でした。
確かに、60で強制的に定年退職して、もう活躍の場が無い…みたいな方も多いわけですし。
自分の能力を活かしてまだ働きたい方は、そういった方法で働けるという選択肢もあったらいいのかな、という感じもしました。
(僕は高齢になったら働きたくないですが…)
実際、日本は世界に類を見ない超高齢化社会へ突入するわけですし。
なんとか乗り越えるために、こういった新たな取り組みもはじまってくるのでしょう。
未来に備えるために、こういった本を読んで予測しておいた方がいいかもしれませんね。
「これからの高齢化社会で、どう生きていけばいいのか不安!」って方なんかには特にオススメしたい本です!
他、今までレビューしたVR関連本はコチラにまとめています↓
>>>未来がわかる!【バーチャルな本】感想・レビュー《まとめページ》