映画【AVATAR(アバター)】ストーリーの根底にあるものとは?《感想レビュー》

どうも。カルチャーマニアのSai(@saisei_to_hakai)です。

「見たことのない映像美と世界観!」

3D映像による映画として、大ヒットした映画【AVATARアバター)】

美しい映像と世界観で話題となった、こちらの映画をレビューします。

映画【AVATAR(アバター)】ストーリーの根底にあるものとは?

映画【AVATAR(アバター)】ストーリーの根底にあるものとは?

作品のあらすじ(ネタバレなし)

戦争で下半身マヒになってる元・兵士のジェイク。

亡くなった兄の代わりに、仕事を引き継ぐことになったが…それは特殊なものだった。

地球から遠く離れた惑星「パンドラ」に行く。そして、現地の種族「ナヴィ」に似せて作られた“アバター”を使い、ナヴィとのパイプ役になること。

…というのが表向きで。それとは別に、軍の大佐からスパイとして活動するよう指示されていた。ナヴィを立ち退かせるためだ。

ジェイクはアバターでナヴィと行動を共にするうちに、彼らの精神性に触れ、少しずつ変わっていく。

そこへ、業を煮やした人間たちの攻撃がはじまるのだった…

感想レビュー(ネタバレあり)

【AVATAR(アバター)】映画レビュー(ネタバレあり)

誰もが楽しめるエンターテインメント映画ですね!

少々ストーリー事情が入り組んでますが。

この程度のものは、社会生活の中でいくらでもありますし。

何より、未知の惑星や種族、その世界観を作り上げる。

映画人たちの知見と想像力をぶち込んで作られた作品なわけで。

楽しくないはずがありません。

未知の惑星。そこに生息する未知の生物や、精神性を持った未知の種族。それらを見れるだけで、最高に楽しいじゃないですか。

しかも3D映画で観たら「わーお!」となること間違いなし。

ストーリー展開自体は、今までのハリウッド映画でよく見てきた感じですが。

“種 VS 種”みたいなスケールの大きい話になると、展開や結末は似てくるのは仕方がないですね。

例えば【インデペンデンス・デイ】みたいな映画を思い出してもらえればわかりやすいんですが…

ああいった、人類VSエイリアンみたいなスケールの話に、「深く心に残った」なんてなりますか?

そもそも、ひとりの人間の日常生活の中で。そんな「国」とか「種」とか「地球」とかいうスケールで生きている人は、まずいません。

そこに「自分と同じものを見出す」なんて要素は少ないわけで、体験したことのない世界に「共感」などを求めても仕方がありません。

なので、こういった大作映画に「深く心に残る」とか、そういったものを求めるのはズレてると思っています。

アメコミ映画や、こういったスケールの大きな映画作品は、その時見て楽しければヨシ。

人間の想像力で作られた、新たな映像世界が見れただけで、僕ら映画ファンは大満足です。

【AVATAR】の世界について

【AVATAR(アバター)】の世界について

【AVATAR】世界のモデルになった空間といえば、中国の「武陵源自然風景区」が有名です。

が。音楽ファン、特にプログレッシヴロックのファンは「ロジャー・ディーンの世界やんけ!」となること間違いナシ。

ロジャー・ディーンといえば、プログレッシヴロック名盤のジャケットアートワークを手掛けたことで有名です。

【AVATAR(アバター)】の世界について2

その作品は、まさに【AVATAR】の世界。

しかしここでひと悶着あり。

ロジャー・ディーン氏が、「映画『AVATAR』の造形は私の作品の盗作」ということで訴えてます。そして敗訴しています。

どうなんでしょうかねこれは…

プログレファンからしたら、どうみてもロジャー・ディーンの世界なのですが。

【AVATAR(アバター)】の世界について3

ジェームズ・キャメロンは監督はこれを否定しています。

何にせよ、ロジャー・ディーンの絵みたいな世界が映像で見れるのは、ファンとしてはうれしいのですが…

人物・キャラクターについて

【AVATAR(アバター)】の人物・キャラクターについて

【AVATAR】のキャラについて、思うことをいくつか。

トゥルーク・マクト

主人公ジェイクについては、「おまえのせいでこうなってんじゃん」感が強いので、そこまで推せません。笑

ちょっと気になるのが、トゥルーク・マクトになるシーン。

手なづけたイクラン(竜みたいなやつ)に乗って、上からトゥルークに飛び移る。

で、シーンが切り替わると、もうトゥルーク・マクトになってるっていう…。

いや、そこ!はしょりすぎだろ!感が否めないですね。

イクランですらけっこー苦労したんだから、トゥルークをどう手なづけるのか。観てるみんなが見たかったはず。

三日三晩寝ずに奮闘した、くらいの描写は欲しかった…けど、ただでさえ長時間映画だから、はしょるしかなかったのか…

大佐

大佐のキャラはステキですね。マスクせずに外出てって銃撃ちまくるところとか。

即断即決。訓練されて仕上がった一流の軍人。って感じで。「コイツが敵なのは手ごわいぞ」っていう。

女兵士

女性兵士といえばいろんな作品でおなじみ、ミシェル・ロドリゲス嬢。

今回の女兵士役も、めちゃくちゃ良いとこ持ってくキャラ。

おいしすぎなポジションが、見ていてうらやましくもありました。

ナヴィ

未知の種族ナヴィに関しては、見た感じヒョウっぽいですね。

見てて面白いのが、瞳孔の演出。これもネコ科に近い設定なのか。

ナヴィ族のヒロイン、ネイティリ出会った時なんかは、瞳孔が小さめで。警戒感丸出しな感じ。

それが、告白シーンになると瞳孔が大きくなって、不思議と可愛く見えてしまうんですよね。

スラッとしてるし。顔ちっちゃいし。「あれ?安室ちゃん?きゃんゆーせれぶれいと?」って感じ。

いかに「目」がキャラ造形に大事か、なんてことは言うまでもないですが。

目による印象操作が、見ていて楽しかったです。

未知のクリーチャーたちをデザインした、ウェイン・バーロウ氏

未知のクリーチャーたちをデザインした、ウェイン・バーロウ氏

あと、未知の動物たちに関して。どうしても言いたいコンセプトデザイナー。

Wayne Barlowe(ウェイン・バーロウ)氏について。

アメリカの画家なのですが、「地獄の世界」「未知のクリーチャー」を描かせたら右に出るものはいない、といった感じで。

大好きな画家さんです!

その能力によって、いろいろな映画でデザインを担当しておられます。

【ブレイド Ⅱ】【ヘルボーイ】【ハリー・ポッター】【パシフィック・リム】など。

知らずに彼のデザインしたクリーチャーを目にしている方は多いはず。

ギレルモ・デル・トロ監督の作品でデザインを担当していることが多いです。

【AVATAR】に出てくる動物たちも、ウェイン・バーロウ氏のデザインによるものが多いです。

クリーチャー以外にも、ものすごい世界観の絵を描く方です。ぜひググッてみてください。

監督ジェームズ・キャメロンは、ステキな冒険野郎

監督ジェームズ・キャメロンは、ステキな冒険野郎

ジェームズ・キャメロンという人は、ヒジョーに興味深い人物でして。

【ターミネーター】【エイリアン】など、映画史に残る作品も多いのですが。

一方で、【タイタニック】などで稼いだ大金をつっこんで、難破船探索や深海調査を行うっていう。超・冒険野郎なんですよねこの人。

好奇心・探求心が異常にあるタイプの人物。

僕が好きなキャメロン監督の作品で、【アビス】っていう作品があります。

この作品に出てくるエイリアンは、高度な知的生命体として描かれ、人間を助けます。

不思議な余韻を残す傑作映画です。

そして、【AVATAR】に出てくる種族・ナヴィも深い精神性も持っていて。

こうした作品群を通して、キャメロン監督の冒険家精神が浮かび上がってきます。

「見たことのないもの・未知の存在に対する、興味とリスペクト」

これが根底にある。と【AVATAR】を見ても感じ取れました。

VR映画として【AVATAR】を見る

VR映画として【AVATAR(アバター)】を見る

VRは出て来ないのですが、非常にVR的な映画ですよね。

仮想のアバターではなく、実体があるアバターを使って遠隔操作する。

その時間、人間の本体は寝てるっていう設定です。

アバターを使うことによって、歩けないジェイクが、自由に走り回れた。

このシーンなんかは、「VR」「仮想アバター」の可能性がよくわかる場面です。それを一発で見せるための主人公の設定。

そして、ナヴィ族のロン毛がプラグになっているところなんかは、映画【マトリックス】みたい。

いろんな動物たちも操れるし、過去の叡智にもアクセスできる。

ここらへんはITやVRの分野の考え方が強く現れてる作品、という印象です。

【AVATAR2】!続編も進行中

【AVATAR2】!続編も進行中!

現在発表されているのは、2022年に【AVATAR2】が公開予定!ということで。

【AVATAR】の主人公たちに子供が生まれ、その子たちが主人公になるみたいです。

そして【AVATAR】の続編は第2部~第5部まで構想があるらしく、映画史に残る新たな一大叙情詩として注目されています。

個人的には、続編がいつか「VRで見る映画」として発表されるんじゃないかと予想しています…

どんな展開になっていくのか、楽しみです。

美しい映像と未知の世界!誰でも安心して見れるエンターテインメント映画です。

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