どうも。カルチャーマニアのSai(@saisei_to_hakai)です。
【アンドロイドは電気羊の夢を見るか?】という素敵なタイトルの原作をもとにした映画。
SF映画の名作【ブレードランナー】の続編、【ブレードランナー2049】をレビューします。
これをサクッと読めば、ラストの印象も変わってくるかもしれませんよ。
オススメAR映画【ブレードランナー2049】感想レビュー《批評・解説》
【ブレードランナー2049】作品のあらすじ(ネタバレなし)
2049年の近未来。
“レプリカント”と呼ばれるアンドロイドたちが人間に使役していた。
旧型のレプリカント達には寿命があったが、寿命に制限のない新型が製造されるようになっていた。
新型レプリカントの“K”は、旧型レプリカントを始末する任務を請け負う“ブレードランナー”だった。
ある日、Kは逃亡中のレプリカントを始末するが、そこで謎のトランクを発見する。その中身は遺骨だった。
調べてもらうと、その遺骨はレプリカントで、出産のあとがあった。これは前代未聞のことだ。
Kは上司に、子供の行方を捜し出して処分するよう指示される。
そうしてKの追跡がはじまるのだった。
【ブレードランナー2049】感想レビュー(ネタバレあり)
この映画は前作の【ブレードランナー】を見てないとじっくり味わえない話です。
なので前作を観たものとしてレビューします。観てない方はぜひ前作を見てからにしましょう。
前作【ブレードランナー】では、“レプリカント”と呼ばれるアンドロイドが人間たちへの反乱を起こしました。
ですが、彼らにも人間と同じように、悩みや詩情、美しい心がある。ということがわかるお話でした。
前作ではレプリカントを始末しようとする「ブレードランナー」は人間でしたが、今作での「ブレードランナー」は新型のレプリカントです。
その二人が出会うことになるわけですが、そこに25年越しのドラマがあるというか…。
現実世界の時間経過を巻き込んだ感慨が生み出されます。
前作からのキャラ描写も活かしたストーリー展開。心地良い重みがあります。
ちょっと長めな間の撮り方。水を使った映像の美しさ。
これらはロシアのタルコフスキー映画からの影響が明らかです。
かなり映像美を意識して作られるな、という画面。
前作のように、人々が猥雑に生活してる感じはありませんでしたが、ストーリーの雰囲気にマッチしています。
主人公のKが最初から最後まで可哀想。孤独な人間には共鳴できるキャラです。
ラストなんかは、雨から雪へ…活動停止して液体から固体になってく感じ…。
映像と相まって、切なくはかなく。美しい最後でした。
今作の【ブレードランナー2049】をレビューするにあたって、前作【ブレードランナー】も見直したのですが。
シリーズのテーマがよりくっきり理解できました。
前作今作どちらも、アンドロイドがアイデンティティを求めてさまよう話です。
本来、人間が持つはずの人間性と、アンドロイドが持つはずの合理性がこの映画では逆転しています。
(“人間の理想”としての話だから、「本来から人間ってそーゆーもんだよ」っていうのナシね。わかるけどさっ)
アンドロイドが、どこまでも人間的です。
不合理な行動まで犯して人間を助ける。っていう。
テーマも内容も一貫していて、前作ファンも納得の新作だったんじゃあないかと。。
文句があったとしても「和風屋台出せよ!」とかそのくらいでしょうか?笑
人間性を無視される現代人の話として、自己投影もしやすいお話ですね。
前作の方は時代からして、そういうメッセージ性を受け取った方が多かったんじゃないでしょうか。
今の時代でもそのへんは変わりませんね。
ストーリーの心地良い重みが、胸に残ります。
【ブレードランナー2049】VR映画として見る
なんといっても、AIとVR/ARによるバーチャル彼女『ジョイ』ちゃんが見どころです。
感情や意志も持っているAI。
ホログラムだったり感触があったり、するうえに、現実の女性に憑依(シンクロ)もできます。
毎晩疲れて帰ると「あなたは特別な存在よ」とか褒めちぎってくれて、ご主人様に奉仕しつくす…。
VR界の日本最重要人物GOROmanさんも、著書で「全員が秘書を持つようになる」と言っていたし。
(『ミライをつくろう』GOROman著)↓
その先には『ジョイ』ちゃんみたいな存在が。っていうのはかなりイメージできる未来ですね。
バーチャル彼女『ジョイ』ちゃんを見るのも楽しいですが、重厚なストーリーで観終わった後も胸に残る映画です。
「今日はどっぷり映画の世界にひたるぞ!」って時には【ブレードランナー】から【ブレードランナー2049】。
観てみるのもいいんじゃないでしょうか。
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