どうも。カルチャーマニアのSai(@saisei_to_hakai)です。
映画『リング』で誰もが知ってる貞子の「呪いのビデオ」。実はあれ、仮想空間の中での出来事だと知っていましたか?
井戸からはい出してくる姿で日本全国を恐怖を与えた山村貞子。まさか今流行りの「メタバース」みたいな話だったとは…。
結末が気になったので小説シリーズを最後まで追ってみました。小説『リング』から続編『らせん』、そして真相があきらかになる第3弾『ループ』の世界。どういう内容だったのか、ネタバレでざっくりお伝えします。
90年代の小説に「ネタバレするな!」って怒る人はいないはず。いってみましょう。
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貞子の呪いは仮想空間の話だった?リングシリーズの小説【ループ】レビュー
【リング・らせん・ループ】 鈴木光司 著
映画『リング・らせん』の原作。ざっくりとしたストーリーは誰もが知っての通りです。
- 謎の死を遂げた怪事件を調べる
- 呪いのビデオ見ちゃう
- 高山に助けを求める
- 調べると山村貞子にいきつく
- 井戸へGO
- 主人公は助かるけど高山は助からず」
原作もだいたいは同じですが、違うところも多い。
主人公が女性じゃなくてオジサンだったりします。後半で死んでしまう「高山竜司」のクセが強いのもポイント。映画版では「手助けする人」という役なだけで印象うすかったですが、原作ではかなり掘り下げられてて魅力的なキャラです。
小説のシリーズを通してみると「高山竜司」が主人公のストーリーといっていい。
それぞれのあらすじをネタバレでお伝えします↓
第1弾【リング】のあらすじ
1作目【リング】の主人公は男性です。浅川という名前の雑誌記者。
謎の死をとげる怪事件を調べてるうちに呪いのビデオに行きつくわけですね。
で、ピンチだから友達の高山竜司を呼び出す。何考えてるんだかわからない奴だけど、頭はキレるし頼りになる。
ビデオテープの痕跡から推理してって、山村貞子の存在が浮かび上がってくる。伊豆大島に行ったりするのは映画版と同じ展開。
原作では、以下のような違いもあります↓
- 貞子が両性具有者
- 犯されてから井戸に放り込まれる
- 犯したのは、貞子の親が療養してた所の医師
- 医師は日本で最後の天然痘患者だった
- 貞子の念と感染した天然痘ウィルスが融合して「呪いのビデオ」になった
- のうのうと生きていた医師に、浅川と高山が詰め寄る
- 浅川は生き残って高山は呪いによって死ぬわけだが、テレビから貞子が出てくる描写はない
- 高山の恋人である高野舞が不審に思って、ふたたびビデオが持ち出される
というストーリーで2作目【らせん】へ続きます。
第2弾【らせん】のあらすじ《ネタバレあり》
2作目【らせん】の主人公は、解剖医の安藤。息子を不慮の事故で失い、深い傷を負ってる人物。
安藤は変死した高山竜司の解剖を担当する。高山とは大学からの友人で、よく暗号遊びをした仲だった。
解剖してみると、胃から暗号が記された紙片がみつかる。暗号に頭を悩ませつつ、高山の恋人だった高野舞と出会う。ちょっと恋心。ポッ
高野舞はというと…例のビデオを見てしまい以後、行方不明になる。
一方、安藤は浅川の手帳を手に入れ、医師仲間と調査をはじめる。
高山の遺体から天然痘に似た伝染ウィルスが発見される。どうやら「呪い」の正体はこのウィルスらしい。ビデオを見た人の網膜からカラダに入って感染するという恐ろしいものだった。
とそこへ行方不明になっていた高野舞が、死体となって発見される。なぜか出産した後のような状態で。
ショックを受けた安藤の前に「高野舞の姉」という女性が現れる。ソッコー体の関係を持つ。しかしこの人物こそ、高野舞の子宮から這い出て再生を果たした山村貞子だった。
高野舞は排卵日に呪いのビデオを見てしまっていた。なので卵子とウィルスが結びついて、受精してしまったのだ。しかも、生まれてきた山村貞子とウィルスは突然変異していた。どんなんか簡単にいうと、誰でも産んで再生できるようになっていた。
貞子は安藤に取引を持ちかける「ウィルスを蔓延させるかわりに、息子を生き返らせてあげる」と。
安藤は提案に抗えず、息子を生き返らせた。そしてこの一連の流れは、高山竜司が導いたものだと気づき、震撼するのだった。
というストーリーで後半はけっこうトンデモ展開。
「呪いのビデオ見ちゃった!どうすれば助かる?」な話じゃなく、「呪いが進化して人類が危機を迎える」という広がりを見せます。
ミステリホラーだった前作【リング】から、エログロ医療サスペンスへと変異した【らせん】。そして3作目【ループ】へと続く。
第3弾【ループ】のあらすじ《ネタバレあり》
3作目【ループ】の主人公は、二見馨(ふたみ・かおる)。いきなり知らない新キャラが出てきます。
二見馨はめちゃめちゃかしこい子供。科学者の親に育てられ、優秀に育ってく。
そんな中、父親が病に倒れる。世界で蔓延している「ヒトガンウィルス」が原因だった。
二見馨は病院で知り合ったシングルマザー・礼子と恋に落ちる。しかし彼女もまた「ヒトガンウィルス」に犯されていた。
父と礼子らを助けようと調査をはじめた二見馨は、とある情報を得る。
アメリカに重力が異常な場所があり、そこに住む人は長寿らしい。そして「ヒトガンウィルス」を克服した人もいるらしい。というわけでアメリカに飛ぶ。
「ヒトガンウィルス」の原因はどうやら、父親が研究で関わっていた仮想空間『ループ』にあるらしい。仮想空間『ループ』には「タカヤマリュウジ」や「ヤマムラサダコ」などのプログラム上の生命がいた。しかし原因不明の事態が起こって『ループ』の研究は中止されていたと。
調べてゆくと『ループ』プロジェクトの最高責任者に行き着く。そして真実が語られる。
『ループ』でシュミレーションすると、現実と酷似した世界ができたんだそうな。プログラム内の生命体「タカヤマリュウジ」は呪いのカラクリを見て「自分の生きている世界は仮想空間だ」と気づいた。そして「ここから出してくれ、そっちへ行かせてくれ!」と、現実世界の人へ懇願した。その恐るべき知識欲によって。
二見馨は『ループ』の中の「高山竜司」の姿を見た。そこに映し出されたのは、自分の顔だった。
二見馨とは、科学者たちの力を借りて現実世界に生み出された高山竜司だったのだ。さらに、生まれてきたこの世界も仮想世界にすぎないことを知る。
そしてどうやら二見馨のカラダには「ヒトガンウィルス」を治すカギがあるらしい。でも取り出すためには肉体がなくなるので『ループ』に戻るしかないと。
で、世界と仮想世界を救うために二見馨は高山竜司となって『ループ』に再び生まれた。
こうして再誕した高山が2作目の【らせん】で復活した高山だったと。
というわけで、3作目【ループ】はSFなストーリーになるというトンデモ展開を迎えました。
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【ループ】でリングシリーズはいったん完結しました。が、その後に外伝の【バースデイ】が発表され。第5弾【エス】、第6弾【タイド】と続きます。
リングシリーズ感想まとめ
あのホラーアイコン「貞子」の結末が…まさかVRゴーグルとデータグローブみたいなの付けて仮想空間に行く話だったとは。
展開がナナメ上いく感じなので、あらすじを知るだけで楽しいですね。
そして高山竜司がキャラ立ってて魅力的。何を考えてるのか、一見つかみどころのない無法者の根底にあったのは異常な知識欲。「この世界とは一体何なのか?」みたいなビッグクエスチョンを持ったまま生きてると共感できる部分も多いんじゃないでしょうか。
映画版だとテレビから出てくるショッキングホラーな印象が強すぎて…続編の映画【らせん】はぼんやりした感じであんまり覚えてないですよね。
原作を追ってみると、リングシリーズはうまいこと映像化できていないんだなと感じました。
最近こんだけ「メタバース!メタバース!」いわれてるので、そのうちリングシリーズもリメイク完全版が作られる可能性ありそう。
お化け屋敷みたいな焼き増しサダコ映画より、原作のトンデモ展開を映像で見れる日を楽しみにしておきましょう。
ちなみにオススメな【ホラー・スプラッター映画】もコチラにまとめています。参考にどうぞ↓
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引きつづきリングシリーズ続編の【バースデイ】、【エス】、【タイド】も追ってみたいと思います。
『リングシリーズ』もいいですが、森博嗣の『S&Mシリーズ』もオススメです。こちらも最終的に仮想空間へ行ってた↓
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