“現代の魔法使い”こと落合陽一が予見する未来【超AI時代の生存戦略】!感想レビュー!
未来が知りたい方、必読です!
落合陽一の本【超AI時代の生存戦略】感想レビュー!
【超AI時代の生存戦略】落合陽一 著
ギャンブル性のあること、コレクション的こと、単純に心地いいこと…
人間にとってエモいこと以外はすべてコンピュータにやらせればいい—。
「人間らしさ」という思考停止はやめて“これから”を読み解く1冊!
“現代の魔法使い”と称され、今、世界でもっとも注目される日本人研究者、待望の書き下ろし!
この本は、全3章とプロローグ、エピローグで成り立っています。
それぞれの章に分けて、感想をざっくりまとめます。
プロローグ
落合陽一さんは、最近こんな質問を受けるようになったそうです。
「将来、人工知能に職が奪われたら人間はどうやって暮らしていけばいいですか?」
「ベーシックインカムが導入されて働かなくてよくなるから、好きなことをして暮らせばいいんですか?」
それに対して、落合さんはこう答えます。
「それができるのはアメリカしかないだろう。
日本には、世界を制するようなソフトウェアプラットフォームがない。
アメリカ以外のローカルは、機械の歯車として人間も働き続けるんだ。
“クリエイティブなことをして過ごす未来”なんて、これからのAI社会をわかっていない者のたわ言でしかない」と。
なので、これから来る“超AI時代”を生き残るために。
新しい考え方にアップデートしよう、というプロローグからこの本は始まります。
第1章 超AI時代の「生き方」
この章では、未来の「生き方」について語られます。
●これからは「ワーク“アズ”ライフ」。つまり。仕事と仕事以外の両方で、価値を生み続ける者が生き残る。
ONとOFFといった考え方を捨てて、新しい生き方をしていこう。
●一人一人が責任を感じられるレベルは、だいたい30人くらいが限度だと言われている。
これからは、コミュニティを決めるほうが自分らしさを探すことよりも重要なのかもしれない。
戦略的にはコミュニティを探すのではなく、コミュニティを作る発想が重要だ。
●社会構造が多様化してきて、私たちはそれぞれ違う方向に淡々とやることが重要になってきた。
一個のパイを奪い合うのではなく、パイをどうやって広げようか、という人間全体の生存戦略を考えなければいけない。
これからやらないといけないことは、全員が全員、違う方向に向かってやっていく。
それを当たり前に思うこと。そういうマインドセットが必要だ。
●今、この世界で他人と違うのは当たり前。他人と違うことをしているから価値がある。
もし、他人と競争してるなら、それはレッドオーシャンにいるということだ。
一人一人がブルーオーシャンな考え方をしなくてはいけない。つまり、他人と違うことをやっていくということ。
●「競争をする」というゲームの中では、データに強い機械には勝てない。
これから先、サーベイ(調査や測量)は重要だ。
いま、この世界で誰が何をやっているのか。それを調べる。
自分がやっていることに近い分野のことは、よく調べておかなければならない。
自分のやっていることと近いものがあれば、そこからさらにどういう価値を足せるか。それを考える。
そうしてやっていけばいい。
●Uberのように、責任と戦略をコンピュータに任せて、ゲーム感覚で働くスタイルなどもある。
すべての生活スタイルが許され、「人間とはこうあるべき」といった考えをしないことが、超AI時代では重要だ。
●これからの生存戦略として、「仕事になる趣味を3つ」くらい持った方がいい。
そして、何かを続けてゆくには、「自分にとっての報酬とは何か」をわかっていないといけない。
それはこの3つに当てはまるはずだ。
- ギャンブル(ドキドキしたい)
- コレクション(充実感を得たい)
- 快楽(気持ちがいい)
この3つを意識してみるといい。
そこを突き詰めると続けた先に「あなたらしさ」を生み出せるはずだ。
第2章 超AI時代の「働き方」
この章では、未来の「働き方」について語られます。
●機械によって時間が省けるようなったのだから、「ムダな時間」をますます削っていく必要がある。
●機械を使えば、素人と熟練の差がなくなる。こうしたことはあらゆる分野で起こってくるだろう。
なので、少なくとも機械を扱う技術については学び続けないといけない。
●会社の寿命は、人より短い。なのでなるべく会社にはしがみつかないほうがいい。
いつリストラされても、変化する態勢を取れるにするのが望ましい。
逆に言うと、「会社を使い倒したほうがいい」。
●これからの時代は、自分から発信しないといけない。
どんな人が何を必要としているのか、自分は何と繋がっていくべきなのか。
関係をしっかり作っていかないと、うまく仕事にならない世の中になっていくと思う。
たとえば「自分がどう働くべきか」「自分がこういう働き方をしているから、こういう仕事は自分に来るべきだ」というように。
何ができて何ができないかを発信することによって、優位性や、他の人にない特徴をアピールできる。
それを絶対にやっていかないといけない。
●昔なら、みんなが同じことをやっていればよかったけれど、これからはそうではない。
だから、その技能や地域性、キャラクターや特殊性みたいなものを発信していこう。
第3章 超AI時代の「生活習慣」
この章では、未来の「生活習慣」についてのお話です。
ストレスのコントロールや、ファッションについて。
コミュニティ、自動運転、子育てについてなど。
いろいろな言及がされていますが、その中でも注目したいのが、投資についてのお話。
●「老後」というのは退職を前提とした言葉なので、これからは意味をなさなくなる。
なので「投資」という考えはあったほうが良い。それは株やFXなどじゃなく、広い意味での投資。
「人にごはんをおごる」といったことも含めて、自己投資にどんどんお金を使った方が良い。
●貯金という形でプールしてしまうと、増えもしないし減りもしない。自分の能力やチームにお金を使えば、それは増えているようなもの。
ただ無自覚に貯金すると、時間もお金も滞って何も生み出さない。
【超AI時代の生存戦略】 エピローグ
エピローグでは、「貧者のヴァーチャルリアリティ」というお話が印象的でした。
キリスト教や仏教などの宗教は、きわめてヴァーチャルリアリティに似ている。というお話で。
●見ることのできない死後の世界を提示して、為政者がコントロールするのに都合のいい世界を見させる。
そうして、格差の中で「低層の者が要求するもの」「人の精神を補完するもの」として、“宗教”が機能していたんじゃないか。
●それは宗教だけじゃなく、ディズニーランドでも、結婚式でも、同じことが言える。
そこに何らかの収益構造を生み出しているのなら、それは「貧者のヴァーチャルリアリティ」になる。
●そしてVRなどによって、現実と、各々の仮想現実の時間を住み分けながらうまくやっていくことになる。
その各々のコミュニティは、それぞれユートピアみたいな振る舞いをするだろう。
というわけで。まるで映画【マトリックス】のようなお話に、うなりました。
なので、テクノフォビア(テクノロジー恐怖症)にならず、そこに適応しなければならない。
そして、テクノロジーによって世界がより良い方向に進むよう、社会が許容していけるよう祈っていきましょう!
未来の“超AI時代”を生き抜くヒントが詰まった本でした!
「元の本で、細かく深いところまで読み取りたい!」って方はぜひ読んでみてくださいね!
今までレビューした、未来がわかる本はコチラにまとめています↓
>>>未来がわかる!【バーチャルな本】感想・レビュー《まとめページ》